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【関ジャム・ボイストレーニング】自分の声のタイプは?ミックスボイスとは?

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この記事を読むとこんなことが分かる

(全体を7分程度で読めます♪)

・関ジャム完全燃SHOWが好き。

・ボイストレーニングに興味がある。

・歌が上手くなりたい。

・自分の声のタイプを知りたい。

自分の声のタイプは何か知っていますか?自分の声のタイプの見分け方とは?【ミックスボイス・プル・フリップ・ライトチェスト】

先日、関ジャム完全燃SHOWの中で「ボイストレーニング」について取り上げられていましたね。レッスンの際に、「先生、関ジャム 完全燃SHOW観ましたか?」と何回も聞かれました。人気あるんですねー。(ちなみに私は、住んでいるアパートにはテレビはありませんが、その日はたまたま実家におり、偶然観ることができましたよ♪)

ということで、今日は「あなたの声のタイプは何?自分の声のタイプの見分け方とは?」をお話しできればと思います。

全ての人が違う声質を持っている。ボイトレが逆効果なことも!?

声紋という言葉があり、犯罪の時にも指紋同様に用いられるほど、声というのは、人それぞれ全く違っていて、特徴的な部分も個々によって大きく異なります。

そのため、私がボイストレーニングにみえている生徒さん向けに、日々行なっているようなトレーニングも、それぞれの方によってエクササイズの種類や内容も異なりますし、アプローチの方法も変わります。

もっと言うなら、同じ声のタイプの方でも、こっちのエクササイズは効果を感じにくいけれど、そっちのエクササイズはわかりやすい、などということもしょっちゅうです。

自分がどういった声のタイプなのかを知らないまま、本で読んだりインターネットで仕入れた知識だけでボイストレーニングのエクササイズをしていると、声質が良くなるどころか、逆効果の場合もあります。

例えば、強い地声が特徴的な人に対して、さらに地声を強化するようなエクササイズを行ってしまうと、元々持っている悪い癖がさらに増幅されてしまうこともあるのです。

自分の声のタイプを知る事は、自分の声の健康のためにも重要です。

簡単に仕入れた知識だけでボイストレーニングのエクササイズを行うことは、危険です。声質が良くなるどころか、逆効果の場合もあります。

・自分の声のタイプを知って、効率よくエクササイズや練習をしていきましょう。

声のタイプは大きく分けて4種類あります。

一般的に声のタイプは大きく分けて4種類あると分類されています。ただその呼び方は様々です。(この4つの中で、さらに分類したりもします。)

今回は、わかりやすいようにテレビ番組「関ジャム完全燃SHOW」の中で紹介された呼び方でご紹介しますね。

歌声のタイプの分類は大きく分けて4つ【プル、フリップ、ライトチェスト、ミックス】

歌声のタイプの分類は大きく分けて、次の4つです。

プル、フリップ、ライトチェスト、ミックス

ここでまず先に、お伝えしておきたいのは、どのタイプの声だからダメだとかいう話ではありません。

もちろん発声として、よりヘルシーな発声方法、逆に喉を痛める危険性が高い発声方法はあります。しかし、これじゃないと絶対ダメ!という話を、ここでしたいわけではありません。(とかなんだかそれらしいことを言っても、なんだかんだ結局、ミックスがいいんですけどね。笑)

個性と声帯周辺の状態、そして歌い心地、求める声質などを総合的に考えて、どんな歌い方が良いのか、ということをバランスを見ながら考えていく必要があります。

正直なところ、これを素人が1人で判断するのは正直なかなか難しいと思います。なので、先に書いたように、ネットの情報を鵜呑みにして間違ったことをやってしまっている方がとっても多くて危険だなーと。

私自身がボイストレーニングの生徒さんをたくさん受け持っているからということももちろんありますが、声についての心配事は、やはり声の専門家であるボイストレーナーに見てもらうのが安心かなと思います。

では1つずつ声のタイプについてご説明していきましょう。

歌声のタイプ:地声で強い声が特徴の「プル」の発声

「プル」というのは、いわゆる地声(下のほうの音域で使いやすく、いわゆる普段喋っているような声)のまま、高い音域まで力一杯、無理矢理力んで出そうとする歌い方です。

「プル」の場合は、喉周辺の筋肉のこわばりがとても強く、声門の閉鎖も非常に強くなります。「プル」のまま歌い続けると、声帯への負担が大きいため、ポリープや声帯結節ができるなど、痛める可能性が非常に高く、危険です。

(もちろん、先天的に喉が強くて、タバコを吸おうが、お酒を飲みながら歌おうが、この「プル」で歌い続けようが、平気な顔をしている方も時々いますね・・。まぁでも、そういう人は非常に稀ですし、声帯結節ができているのに本人は自覚症状がなく、喉を痛めつけ続けているという方も中にはみえます。)

いわゆる、プロ歌手の人たちでもこの「プル」の歌い方のせいで、年齢を経て高音がほとんど出なくなるという人たちもいますね。

「プル」の発声の特徴とは?苦しそうな歌声に聴こえていませんか?

「プル」の発声の場合、しっかりとコントロールされた声と言うよりも、勢いで発声しているといえるかもしれません。

「プル」の発声の方の特徴は、地声の勢いが続く高さまでは頑張れますが、それ以上の高い音域の声は出せなくなります。例えるなら、低い音域からずーっと100%の勢いで声を出し続けて、もうこれ以上の高さは出せない!無理!となったところで、即終了!と言う感じです。

この図のように、地声と裏声を赤と白で表してみましょう。

多くの方の場合は、低音部の発声では赤(地声)が優勢で、だんだん白(裏声)へと置き換わっていくのですが、「プル」の歌い方の場合、赤の部分(地声)だけしかなく、白の部分(裏声)が出せない状態です。

「プル」での発声は、勢いがある分、音量は非常に大きくパンチのある声を出す事ができますが、何度もいうように、声帯への負担は非常に大きいため、歳を取ると声質がどんどん悪くなっていく人が多いです。

「プル」の発声で歌う人は、歌える音域も他のタイプに比べ狭いです。高音を出そうと思っても、そもそも裏声の使い方を喉が知らないため、歌える音域も限られます。

「プル」での発声の方は、まずは裏声を出す習慣をつけることが改善の第一ステップで、その過程で、少しずつ力みをとっていくことになります。

「プル」での発声は、喉への負担が非常に大きいので、ポリープや声帯結節の危険があります。まずは裏声を出す習慣をつけることが、改善の第一ステップです。

歌っている実感というのは、個人差があります。単に力んでいるだけかも?

「プル」での発声の方は、少しずつ裏声を出すことを覚えてくると、「歌っている感じがしない!」ということをおっしゃる方がみえます。

つまり今までは、力んで力強く歌っている事というのが、歌を歌うことの快感とイコールになっていたわけです。これは非常に危険なことです。一生懸命力んで歌うことが、快適&美しくてヘルシーな声と、身体が勘違いしてしまっているということなので。

そのため、声帯周辺の筋肉の使い方を覚えるだけではなく、そもそもの意識を改革し、かつ力まなくても、美しく力強い声は出せるということを理解し、マインド自体も変化させていく必要があります。

・力まなくても、美しく力強い声は出せる!ということを理解し、マインド自体も変化させていきましょう。

・「プル」での発声の方は、まずはリップバブルの習得からスタートしましょう♪

歌声のタイプ:声が2層に分かれてしまうのが特徴の「フリップ」の発声

「フリップ」の発声というのは、私がレッスンをしていて1番よく見る発声のスタイルです。ほぼ半分以上の人がこれなのではないでしょうか。

森山直太朗さんの「さくら」などは、まさにこの歌い方を使っていますね。

「フリップ」の発声の特徴とは?歌声が2層に分かれてに聴こえていませんか?

「フリップ」の発声の方の場合、低音はプルに近い力強い歌声、しかし、高音部分においては力強さが突然失速し、サビの決めの部分でパワー不足を感じるかもしれません。

先ほどと同じように「フリップ」の歌声を赤と白で表してみましょう。

「フリップ」の歌い方は、先ほどの「プル」と低音部は同じ感じです。力強い地声(赤)で中音部まで歌うことができますが、地声で出せない音域まで上がってくると、突然裏声(白)に変わって、弱々しい声になってしまいます。

つまり大きく2層に声が分かれてしまうような印象の声です。

声が2層に分かれる部分を喚声点(かんせいてん)と呼びます

声が2層に分かれる部分を喚声点(かんせいてん)と呼びます。上記の図だと、赤と白の切り替わる部分です。

この喚声点の部分では、声が突然薄くなってしまい、その後高い音域では裏声(ファルセット)を使う感じです。

つまり、この喚声点をまたぐようなフレーズを歌う時は、音量のばらつきや声質のばらつきが大きく目立つため、曲のキーを選んだりメロディーによっては違和感を覚える場合もあります。

・喚声点をまたぐフレーズを歌う場合は、声質に注意しないと音量や声質のばらつきが大きく目立ってしまいます。

・曲のキー選択やフレージングをよく検討しないと、思ったようなパフォーマンスができない場合があります。

「フリップ」の歌い方の場合は、喚声点で声を裏返すため、「プル」のように声帯を痛めたりするほどではありませんが、喚声点ギリギリまで地声(チェストボイス)で張り上げると「プル」と同じように声帯を痛める可能性があるため、注意しなくてはいけません。

歌声のタイプ:歌声のパンチ力が出にくいが高音が得意の「ライトチェスト」の発声

「ライトチェスト」の歌声と言うのは、一言で言うと地声が非常に弱く、裏声のままで音域の大部分を歌う歌い方です。

これは程度の差はあるのですが、全体的に柔らかい音色で、高音がよく出やすい傾向があります。逆に低音部分はパワーが弱く、大きな声でパワフルな歌声は出しにくいです。

いわゆる合唱声と言われるような、ママさんコーラスなどで歌われている方はこのカテゴリーですね。

「ライトチェスト」の発声の特徴とは?歌声にパワーがない?

「ライトチェスト」の発声の方の場合、高音は比較的出しやすいものの、低音は苦手でロックやシャウト系の曲は苦手な人が多いです

先ほどと同じように「ライトチェスト」の歌声を赤と白で表してみましょう。

ポップス系でも高音が綺麗に響く方の声は、このカテゴリーに入る場合が多いですが、その場合、完全なライトチェスト、つまり全く地声が出せない!という方は稀かなと思います。そのため、この次に出てくる「ミックス」と「ライトチェスト」が混ざったような、行き来するような、感じの方が多いです。

私自身も元々はこのカテゴリーの声で、(特に大学時代、アカペラをやっていた頃はこの傾向が非常に強かったです。汗)意識しないで歌うと低音部が弱くなり、今でもロック調の強い声を必要とするような曲などは、ちょっと苦手意識があります。

しかし、この「ライトチェスト」の歌い方の方が得意ないわゆる裏声を使った歌い方は、この後に出てくる「ミックス」の歌い方を習得するためには、絶対に必要です。裏声が出せない人にはミックスボイスは出せません。

・「ライトチェスト」の歌声の方は、「ミックス」の歌声を習得するために必ず必要な、裏声を出すことはできるため、訓練次第で「ミックス」の要素を手に入れやすいです。

・逆に「プル」の歌声の方は、まずは裏声を身につけた上で「ミックス」の要素を身につけていく必要があります。

歌声のタイプ:歌声がグラデーションのように滑らかな「ミックスボイス」の発声

ミックスボイス、はいっ!誰もが憧れる歌声ですね。

地声と裏声をまさにミックスしたような滑らかに低音から高音に移行することができる声を指します。

地声から裏声にひっくり返る地点を「換声点」といいますが、ミックスボイスが出せるようになると、地声の音域から裏声の音域への切り替えが滑らかになり、聴いている側にも無理を感じさせない歌い方ができるようになります。

苦しくなるまでは地声、そこから先は急に裏声で歌ってしまうという「フリップ」の歌い方の悩みを持つ人も、「ミックスボイス」を身に付ければ、音域による急な声の切り替えをなしなくてもよくなるのです。

「ミックスボイス」の発声を色で示すなら、こんな感じです。

濃い赤、少し濃い赤、少し薄い赤、濃い目のピンク、薄めのピンク、限りなく白に近いピンクという感じでグラデーションになっているような声の移り変わりです。

声の成分はこのように移り変わっていきます。

長くなってしまったので、具体的なエクササイズについてはまた別の記事でお話ししましょう。