プロジャズシンガーのオススメ女性ジャズボーカリスト35選 [初心者&リスナーも聴きやすい]

- 素敵なジャズボーカリストのCDを聴きたい!
- BGMとしてもぴったりのジャズCDを知りたい。
- ジャズボーカルを始めたけれど、オススメのアーティストを知りたい。
現在、加筆&更新中のため、書きかけの部分があります。ご了承ください。
- ビリーホリディ(Billie Holiday)
- エラフィッツジェラルド(Ella Fitzgerald)
- サラヴォーン(Sarah Vaughan)
- カーメンマクレエ
- ブロッサムディアリ
- ニーナシモン
- ヘレンメリル
- ジュリーロンドン
- アンバートン
- ローズマリークルーニー
- ダイナーワシントン
- モニカゼタールンド
- ダイアンリーヴス
- ペギーリー
- ナタリーコール
- ティアニーサットン
- ダイアナクラール
- シェリルエイミー
- ジェーンモンハイト
- ルシアーナソウザ
- ニッキパロット
- ソフィーミルマン
- エスペランサスポルディング
- グレッチェンパーラト
- シゼルストーム
- リサエクダール
- サラガザレク
- ステイシーケント
- マレーンモーテンセン
- シーネエイ
- ディーディーブリッジウォーター
- ダイアンリーヴス
- カサンドラウィルソン
- ベッカスティーヴンス
まずは女性ジャズシンガー御三家を覚えましょう。

- ビリーホリディ(Billie Holiday)
- エラフィッツジェラルド(Ella Fitzgerald)
- サラヴォーン(Sarah Vaughan)
ビリーホリディ、サラヴォーン、エラフィッツジェラルドの3人は、女性ジャズシンガーの御三家と呼ばれ、歴史に名を残す偉大な歌手です。
必聴!女性ジャズシンガーの御三家
ビリーホリディ 〜Billie Holiday〜
ビリーホリディ(Billie Holiday 1915-1959)は、まさにジャズボーカルの礎を築いた人物でもあり、ブルースからジャズへの変革期、そして、アメリカでの黒人差別へのメッセージを歌に込めた奇妙な果実(Strange Fruit)は大ヒットしました。
奇妙な果実(Strange Fruit)とは?
奇妙な果実」とは、リンチにあって虐殺され、木に吊りさげられた黒人の死体のことである。歌詞は「南部の木には、変わった実がなる・・」と歌い出し、木に吊るされた黒人の死体が腐敗して崩れていく情景を描写する。 wikipediaより
初めて”Strange fruit”を聴いた時は、歌詞の意味を知らなかったのですが、なんだか怒りや不気味さのようなものを感じました。
のちに曲の背景を知り、またBillie Holidayの壮絶な人生も重なり、魂の叫びのような声に、言葉を失ったことを覚えています。ビリーホリディ自身はドラッグ中毒などとも戦い、44歳の若さでこの世を去りました。
はじめてビリーホリディを聴くならこれがおすすめ。

Billie Holiday ビリーホリディ / Strange Fruit: 奇妙な果実
ジャズボーカルの歴史では、避けて通れない必聴の1曲であり、ビリーホリディは歴史を作ったジャズシンガーだということを覚えておきましょう!
エラフィッツジェラルド 〜Ella Fitzgerald〜
女性ジャズシンガーを語るなら、エラフィッツジェラルド(Ella Fitzgerald 1917-1996)抜きでは語れません。私自身も、特にジャズボーカルを学び始めたばかりの頃には、彼女の音源を聴き漁りました。
エラは、ギタリストのJoe Pass(ジョーパス)とのデュオのような小さな編成から、オーケストラやビックバンドとの共演と、同じ曲でも多彩な編成で私たちを楽しませてくれます。
ギタリストのジョーパスとのデュオアルバムならこちらがおすすめ。

Ella Fitzgerald & Joe Pass / Again
偉大な作曲家、Cole Porterの作品ばかりを演奏したCDも素敵です。

エラフィッツジェラルド / Sings The Essential Cole Porter Song Book
Louis Armstorong(ルイアームストロング)とデュエットCDは、2人の息のあったデュエットが聴けます。
Ella Fitzgerald & Louis Armstrong / Ella & Louis
ジャズってスモーキーな声じゃないと歌えないんですよね?なんてよく質問を受けるのですが、ぜひ彼女の歌声に耳を傾けてみてください。特に高音なんて、とても澄んでいて美しいですよ。
ジャズボーカルに向いている声質ってあるの?(別記事:近日公開)
サラヴォーン 〜Sarah Vaughan〜
サラヴォーン(Sarah Vaughan 1924-1990)は、曲中で見せるスキャットも素晴らしく、絶対押さえておくべき女性ジャズシンガーの1人です。コンサートのライブ録音や映像もたくさん残っており、お手本にしたいシンガーのひとりです。
日本でのライブ音源のCDも出ています。
Sarah Vaughan / Live In Japan Vol.2
このCDに入っている「枯葉 Autumn leaves」ぜひ聴いてください。
Sarah Vaughan / Crazy & Mixed Up
伝説の有名な女性ジャズシンガーたち

カーメンマクレエ 〜Carmen Mcrae〜
Carmen Mcrae(カーメンマクレエ)も御三家の1人と言ってもよいくらいの名シンガーです。比較的長生きで、日本公演で何度か来日しています。
これがジャズの醍醐味!有名な曲がたくさん収録されています。

Carmen Mcrae / Great American Songbook
“Carmen Sings Monk”というThelonious Monk(セロニアスモンク)の作品ばかりを集めたCDもおすすめ。さすがの技術で一聴の価値ありです。

Carmen McRae / Carmen Sings Monk
ブロッサムディアリ 〜Blossom Dearie〜
チャーミングでコケティッシュと表現されることもあるBlossom Dearie(ブロッサムディアリ)の歌声は、いわゆる他のジャズシンガーのように朗々と歌い上げる歌い方とは、まったく違ったアプローチの歌唱法です。
おしゃれなカフェやお休み前のひとときにもぴったりのまさに小鳥のさえずりのような優しい歌声です。
Blossomという名前は本名で、ご両親は北欧系とのこと。誕生の時に兄弟が桃の花を手にお祝いをしたということからこの名前がついたという逸話も。とってもハッピーなエピソードですよね。
Blossom Dearie / Complete Recordings (1952-62)
Autumn in New York(ニューヨークの秋)もとっても素敵。私にとってもジャズってこんなにナチュラルに等身大で歌っていいんだーと私も気付かせてくれたアーティストの1人です。
Blossom Dearie / Adorable Blossom Dearie
粟田麻利子が最も好きなジャズシンガーって誰ですか?の質問に答えます!(別記事:近日公開)
ヘレンメリル 〜Helen Merrill〜
Helen Merrill(ヘレンメリル)といえば、これでしょう。私が初めて聴いたジャズボーカルのCDはこれでした!このグリーンのジャケットも非常に有名ですね。
この”You’d be so nice to come home to”のタイトルの和訳”帰ってくれたらうれしいわ”は大橋巨泉さんがつけられたわけですが、こんなエピソードも。
“You’d be so nice to come home to”とは、「あなたが待っている家に帰って来られたらすばらしいだろう」という意味であるが、『ユード・ビー・ソー・ナイス・トゥ・カム・ホーム・トゥ』という題名で、日本では普及している。ジャズ評論家の大橋巨泉は「帰ってくれたらうれしいわ」という訳題をつけた。 wikipediaより
途中で出てくるアドリブのトランペットは、Clifford Brown(クリフォードブラウン)ですね。
ジュリーロンドン 〜Julie London〜
もともと、10代の頃から女優として映画デビューをしていたJulie London(ジュリーロンドン)ですが、ジャズシンガーとしても、とても有名です。
彼女が歌った”Cry me a river”が大ヒットしたことで、歌手としても世間にスターとして認められ、女優の仕事とともに、彼女の才能がさらに開花しました。少しハスキーな声質は多くの人に愛されています。
彼女のFly me to the moonも素敵で、レッスンでこんな風に歌いたい!と音源を持ってこられる方も多いですよ。
Julie London / Cry Me A River 〜best Of Julie London
こちらの記事で、Fly me to the moonについて解説しています。
アンバートン 〜Ann Burton〜
Ann Burtonアンバートンは、オランダを代表するジャズシンガーです。
語るような歌い方がまるで、読み聞かせを聴いているかのようでストーリーが広がり、非常に心地よいです。
温もりのある声は、カフェなどのおしゃれ空間のBGMや落ち着きたい夜のお供にもぴったりです。カフェオレがぴったりな歌声とも言えると思います♪私も、大好きなシンガーの1人です。
Ann Burton / Lovely Way To Spend An Evening
最も有名なBlue BurtonのCDはこちら。
現代の有名な女性ジャズシンガーたち

ティアニーサットン 〜Tierney Sutton〜
8度のグラミー賞ノミネートなど、大御所ジャズシンガーのTierney Sunnton(ティアニーサットン)、その歌声はとても軽やかで、また音程も非常に正確で、確かな技術を持っている素晴らしいシンガーです。
彼女の歌は、力みがなく歌詞が非常にクリアーに聴こえ、どんな方でも聴きやすいと思います。また編曲も凝ったものが多く、ビートルズやジョニミッチェルなどポップス系の曲のカバーも積極的に取り入れています。
Tierney Sutton – Paris Sessions
こちらのCDはジョニミッチェルトリビュート作品です。
前回の来日の際に見逃してしまったのですが、次は絶対観に行きたいボーカリストの1人です。
ダイアナクラール 〜Diana Krall〜
Diana Krallダイアナクラールは、現在までに5度もグラミー賞を受賞するなど、ここ最近では最も成功したジャズボーカリストの1人と言っても過言でない、日本でも非常に人気のあるシンガーです。
ピアノの演奏も素敵で、弾き語り形式や、バンド形式でも弾き歌いで演奏するなど、多彩な顔を見せてくれる歌い手です。彼女もバークリー音楽大学の出身ですね。
比較的低めの音域で歌いますが、声質としてはパワフルに歌い上げるというよりは、しっとり聴かせるようなイメージです。
男性ジャズボーカリストのレジェンドの1人Tony Bennetteトニーベネットとのデュエットも絶品です。
ジェーンモンハイト 〜Jane Monheit〜
2003年と2005年にグラミー賞にもノミネートされている実力派ジャズボーカリストです。幼い頃から音楽一家で育った彼女は、高音が非常に美しく響く声をしており、上品な印象があります。
結婚出産などを経て、さらに充実した音楽活動を送られているようです。彼女の公式Instagramでは、リハーサルの様子など、楽しそうな様子をみることができますよ。
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エスペランザスポルディング 〜Esperanza Spalding〜
Esperanza Spaldingエスペランザスポルディングは、少しハスキーな声でベースを弾きながら歌うスタイルを基本とし(アルバムによってはベースを弾かないことも)、トレードマークのふわふわの髪の毛もとても印象的、デビュー後、一躍スターダムを駆け上がりました。
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私はバークリー音楽大学に留学中に、彼女のコンサートもワークショップも行ったことがあり、実は日本でのコンサート時に、少しだけ彼女の通訳の仕事をしたことがあるのですが、非常に気さくな人柄で、素敵な方でした。
バークリー音大のワークショップでは、なんでこんな難しいベースラインを弾きながら歌えるんだ?という素朴な疑問が出たりもしたのですが、彼女はただこう言っていました。
できるまで、何度も何度も繰り返して練習するだけ。
はじめは1小節だけ、そこができたら次はできたところを含めて2小節。3、4、5・・。うまくいかなかったら、また戻って、繰り返し練習するだけよ。
特別なことは何もしていない。
どんなにスターになっても、その姿勢は変わらないEsperanza Spaldingに今後も注目です。
この動画は最近の”Emily’s D+Evolution”プロジェクトの動画ですが、このプロジェクトのコーラス(女性)をしているのはパークリー音大の仲間Emily Elbertで、彼女も非常に素晴らしいシンガーです。
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グレッチェンパーラト 〜Gretchen Parlato〜
ささやくような少しハスキーな歌声が特徴的なGretchen Parlatoグレッチェンパーラト。まさに現代の革新的なジャズを牽引するジャズシンガーです。
「私はいろんな種類の音楽を聴いて育っていて、17歳になるまではジャズを歌おうと考えてもいませんでした。ジャズ・ヴォーカリストではないアーティストでは、ジュリー・アンドリュース、スティーヴィー・ワンダーやマイケル・ジャクソンなんかが大のお気に入りです」
「マイルス・デイヴィスとチャーリー・パーカーからは大いに影響を受けています。ヴォーカリストが管楽器を演奏するように歌う(その逆も然り)のは、とてもいい勉強になります。ウェイン・ショーターやハービー・ハンコックからも、物凄くインスパイアされています」
このように彼女自身が語るように、幅広い音楽知識や経験に基づき、常に新しいことに挑戦する姿勢は、ジャズボーカリストとしてだけでなく、1人の音楽家として常にウォッチしていたい存在です。数多くの第一線で活躍しているプレイヤーとの今後の共演も楽しみです。
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サラガザレク 〜Sara Gazarek〜
Sara Gazarek(サラガザレク)は透明感のある歌声が特徴的な、若手ジャズシンガーの1人で、日本でもとても人気があります。
1982年、アメリカ・シアトル生まれのジャズボーカリストで、高校時代にジャズを学んだことをきっかけにジャズの世界へ。2000年にデュークエリントンジャズフェスティバルでエラフィッツジェラルド賞を受賞。その後、世界中でどんどん活躍の場を広げています。
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ドイツのピアノトリオ、TriosenceとのコラボレーションCD “Where she stands still”では、Triosenceの作品にオリジナルの歌詞をつけ、披露しています。いわゆるジャズスタンダード曲を演奏しているのではなく、Triosenceのオリジナル曲ばかりが収録されています。このCDは私が自分のCDをリリースするときにとても参考にしたCDです。空気感がとっても洗練されていて、大好きなCDです。ぜひチェックしてみてくださいね。
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また、ピアニストのジョシュネルソンとのデュオCDも素晴らしいです。ジョシュネルソンも、2006年のセロニアスモンクコンペティションで、セミファイナリストにもなっている実力者です。
まとめ[たくさんの音源を聴いて自分の好みのジャズシンガーを探そう]
いかがでしたか?ご存知の女性ジャズシンガーばかりでしたか?
この記事を書くにあたり、ジャズボーカリスト15選!みたいな他の方が書かれた記事をいくつか読んでみました。
いっぱい検索でヒットするのですが、ジャズシンガーを長年実際にやっている私からすると、ほとんどの記事は「あーこの人、大してジャズを聴いてないで書いてるんだろうなー」と思ってしまうものばかりでした。
そのため今回は実際に現場に立っているジャズシンガーとして、私が大好きで本当に皆さんにオススメしたい女性ジャズシンガーをまとめてみました。
これをきっかけに、好きなアーティストに出会ってもらえたらうれしいです。