(全体を10分程度で読めます♪参考音源もぜひ聴いてみてください♪)
・ジャズスタンダード曲の選曲方法
・初心者にオススメできないジャズスタンダード曲
初心者にオススメなジャズスタンダード曲はこのような曲です。
ジャズのスタンダード曲は初心者の方でも簡単に歌える曲がいくつもあるよと言うことを他の記事でもたくさんお話ししてきましたが、具体的に教えて欲しい!という声もあったので、基本中の基本の曲をこちらの記事で4曲挙げています。
初心者でもオススメなジャズスタンダード曲はこのような曲です。まずはこの辺りからスタートされるのがオススメです。詳しい解説は上記のリンクからご覧くださいね。参考音源も載せてあります。
1. L-O-V-E
2. It don’t mean a thing
3. Fly me to the moon
4. Smile
初心者の方が取り組みやすい上記のジャズスタンダード曲は、このような観点で選びました。
1)32小節の短い曲
(構成がシンプルで、メロディもシンプルな曲)
2)歌詞の量も少ない曲
3)TVやCMなどで聴いたことのある曲
逆に初心者には取り組みにくい、ジャズスタンダード曲もあります。
有名曲だからといって、簡単とは限らない!選曲は重要!
世界的に有名な曲や、初心者用の教則本に掲載されている曲でも、実は音飛びが多かったり、リズムが取りにくかったりと、意外と取り組みにくい曲もあったりします。
始めたばっかりで、いきなりそういう曲に取り組んでしまうと、なかなか歌いこなせず、早い段階で挫折してしまうこともあるので、選曲はとても重要です。
いきなり挫折しないために、初心者の方がご自身でレパートリーを選ぶ際には上記のポイントにプラスして、このような観点で選曲するとよいです。
1)32小節の短い曲
(構成がシンプルで、メロディもシンプルな曲)
2)歌詞の量も少ない曲
3)TVやCMなどで聴いたことのある曲
の上記にも書いてある選曲のポイントにプラスして・・
4)シンプルに歌っているお手本の音源がある曲
フェイクをせずシンプルに歌っているお手本を探しましょう!
シンプルに歌っているお手本がある、と言うことも初心者には重要な要素です。
ジャズのスタンダードソングの場合、メロディをフェイク(少しメロディラインを変えたり、歌い回しを変えること)していることも多く、何がベーシックなメロディなのか?が分からなくなってしまう、ということがしばしば起こります。
そのため、できるだけ基本に忠実に歌っているものを参考音源として使うことをお勧めします。
そもそも、オリジナルのメロディがわからない!という場合は、楽譜を入手してみましょう。楽譜が読めなくても、まずは大丈夫です。
ボーカル用の楽譜であれば歌詞が書かれていますので、それを見て、音符が上がったか下がったか?や、音符が長く伸びているのか、短く切っているのか?など、まずはそんなところをチェックしてみてください。
少しずつ慣れてきたら楽譜の勉強もしていきましょう。
ジャズボーカル初心者には取り組みにくいジャズスタンダード曲
The girl from Ipanema イパネマの娘
邦題はイパネマの娘、Antonio Carlos Jobim(アントニオ カルロス ジョビン)の作品で、とても有名な曲ですね!アントニオカルロスジョビンは通称Tom Jobimとも呼ばれ、Bossa Nova(ボサノヴァ)の創始者として有名です。
Bossa Novaは、ジャズとブラジルの音楽が出会って誕生しました。
初心者用の教則本などにも掲載されていることがとても多いThe girl from Ipanemaですが、この曲は初心者にはオススメできません!
どんな点が難しいのか?と言うと、イントロあけのメロディの1番最初の音「(英語)Tall and tan….、(ポルトガル語)Olha que coisa….」の「Tall、Olha」の音程を取るのがとっても難しいのです。
このメロディの最初の音、いわゆる9th(ナインス)と言われる音で、機能としては彩りを与えるための音なので、イントロあけに1音目としてパッと入るには、ちょっと取りにくい音なんです。
また、曲の途中、Bセクションのメロディも取りにくいです。
とはいえ、Bossa Novaのスタイルを勉強するにはとてもよい曲です。
Antonio Carlos JobimとFrank Sinatraがポルトガル語と英語で交互で歌っているバージョンなども、言語の違いがわかって面白いです。
Over the rainbow 虹の彼方に
Over the Rainbowは、2001年に全米レコード協会の主催で投票により選定された「20世紀の名曲」の第一位にもなった、名曲中の名曲です。歌詞も素晴らしいですよね。
誰もが知っているOver the rainbowですが、この曲も歌いこなすには、なかなかの力量が必要な曲なのです。
1番最初の音から1オクターブ音が飛びますので、歌いこなすためには、しっかりと自分の音域に合わせたキーの設定が必要になります。
初心者の方は自分ひとりで最適なキーを見つけるのは難しいかもしれません。
また、曲の途中のBセクションは、歌詞の量が多く、息継ぎのタイミングも難しいです。
「有名な曲だからきっと大丈夫!」と安直に、この曲を選んでしまうと痛い目にあいますのでご注意くださいね!
A night in Tunisia チュニジアの夜
「チュニジアの夜」はテンポも速く、かっこ良い曲ですが、この曲もジャズ初心者には難易度が高いです。
メロディーラインが難しいため、音を正確に取ることが難しいです。また、テンポが速いため、英語の歌詞が曖昧になりやすい危険があります。
曲の途中で、ラテンとスイングのリズムが交互に出てくるため、両方のスタイルを正確に理解し、歌い分けられないと、かっこよく歌いこなすことができません。
中級者以上の方の課題曲としては良いと思いますが、初心者には向きません。
もしも初心者がA night in Tunisia(チュニジアの夜)にチャレンジする場合は、テンポを落として1フレーズずつ、音程も英語も正確に歌えるように練習していきましょう。
またリズムのスタイルをしっかりと捉えるために、ドラムやベースのパターンを学習しましょう。
When you wish upon a star 星に願いを
over the Rainbow同様、とても有名な曲ですが、意外とこの曲も難曲です。
曲の最初から1オクターブ音が飛ぶため、音域の広い方でないと歌いこなす事は難しいです。
また、「Star」の発音は、英語が苦手な方が発音すると、舌を巻きすぎてしまい「Stir」のように聴こえ、発音が不明瞭になってしまいます。そう言う意味では”Over the rainbow”のOverも発音も難しいですね。
とはいえ、When you wish upon a star(星に願いを)は、シンプルな曲のため、スタイルをいろいろ変えたりとアレンジが可能で、レパートリーにしておくのに損はない曲です。
そのため、ある程度ボイストレーニングを積むことで音域を確保し、かつ、リズムの知識などが増えてから、練習に取り組まれると、曲の良さを十分に表現できると思います。
Take the A train A列車で行こう
Duke Ellington(デュークエリントン)楽団の演奏で大ヒットしたTake the A trainは、楽団の作曲家であったBilly Strayhorn(ビリーストレイホーン)が作詞作曲しました。
デュークエリントン楽団の代表作とも言える曲で、ぱっと聞きとても明るくて軽快な曲なので、簡単そうに聞こえるのですが、実は音程を取るのが少し難しい曲です。
テンポが速い曲のため、英語が苦手な方は要注意です。
初めからテンポが速い状態で練習してしまうと、うまくいきません。テンポをかなりゆっくりに下げてから、何度も練習をしましょう。
ただこのTake the A train(A列車で行こう)という曲は、ジャズの基本のエッセンスがたくさん含まれています。
ジャズの醍醐味を味わって頂きやすいので、そういう意味では初心者向けでもあります。しかし、いきなり勢いで歌ってしまうと失敗のもとです。まずは、ゆっくりのテンポから着実に音程と歌詞をさらってみましょう。
・テンポが速い曲は、焦らず歌えるテンポまでまず落として、練習していきましょう。
・全体を通して練習するだけではなく、苦手な部分だけを取り出して練習するなど、工夫してみましょう。
・ジャズボーカルと英語は残念ながら、切り離せません。英語が苦手な方は、たくさんの模範演奏を聴いて、できるだけ発音を真似してみましょう。
この記事のまとめ
1)歌詞の量が少ない曲。
2)メロディラインがシンプルな曲。
3)TVやCMなどで聴いたことのある曲。
4)シンプルに歌っているお手本音源のある曲。
こういったことを加味しながら選曲すれば難しくないです!
1)The girl from Ipanema イパネマの娘
2)Over the rainbow 虹の彼方に
3)A night in Tunisia チュニジアの夜
4)When you wish upon a star 星に願いを
5)Take the A train A列車で行こう