おすすめのアカペラグループ18選[アカペラ初心者向けにご紹介]
「関ジャム 完全燃SHOW – 声だけで聴く者を感動させる」の放送をご覧になりましたか?実はナギーレーンのメンバーばらっちは、バークリー音楽大学時代の仲間で、活躍を嬉しく思っています。
私自身も大阪大学に在学中、アカペラをやっていたこともあり、今日はボーカリストの演奏の中でも特に特徴的なアカペラスタイルで演奏するアーティストやバンドをご紹介したいと思います。
アカペラとは楽器と演奏するのではなく、ボーカリストの力だけでハーモニーを形成し、音楽を作っていく美しい音楽をご紹介したいと思います。
・在学時代、大阪大学アカペラサークルに所属
・現在も活躍しているアカペラバンドinspi(インスピ)と同級生
・バークリー音大プロフェッショナルミュージック専攻首席卒業
・ボストン留学中にもアカペラバンドに所属。
今日はアカペラ経験もある私が、世界中の様々な素晴らしいアカペラグループをご紹介したいと思います。私が専門とするジャズ系のアカペラバンドから、ソロで多重録音をするようなアーティスト まで様々なタイプのシンガーたちをご紹介しますね!
・アカペラミュージックが好きな方。
・普段からボーカルの入っている音楽をよく聴く方
・関ジャム 完全燃SHOWを観てアカペラに興味を持った方
・世界中のおすすめアカペラグループを知りたい方
・新しい音楽を聴いてみたい方。
世界のおすすめアカペラグループ、アーティストをご紹介
- The Real Group(ザ・リアルグループ)
- Take 6(テイク6)
- VOX ONE(ヴォックスワン)
- Pentatonix(ペンタトニックス)
- Bobby Mcferrin(ボビーマクファーリン)
- Jacob Collier(ジェイコブコリアー)
- New York Voices(ニューヨークボイセス)
- DCapella(ディカペラ)
- Club for five(クラブフォーファイブ)
- Singers Unlimited(シンガーズアンリミテッド)
- Rockappella(ロッカペラ)
- Kraja(クラヤ)
- Accent(アクセント)
The Real Group(ザ・リアルグループ)
スウェーデン出身の5人編成のアカペラグループです。何度もメンバーチェンジを経て、オリジナルのメンバーは現在1人しか残っていませんが、メンバーが変わっても美しいアカペラのハーモニーを維持し続けられるのは、本当に彼らがハイレベルなボーカリスト達だからだと思います。
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また、スウェーデンの民謡から、オリジナル、ジャズスタンダード曲まで、非常に幅広くレパートリーや持っています。
The Real Group – Pass Me The Jazz – Södermalm Sessions
アカペラをやっている大学生を中心に日本のファンもとても多く、来日コンサートの際も非常に人気があり、チケットはすぐに完売してしまいました。楽譜も市販されているものがいくつかあり、日本全国の大学のアカペラサークルでは彼らのレパートリーはたくさん歌われており、とても人気があります。
スウェーデンの民謡を中心に聴かれるならこちらのCDがオススメ。
ジャズのスタンダード曲が、アカペラ用にアレンジされていて美しいです。
The Real Group 公式ウェブサイト
Take6(テイク6)
男性6人で構成されるボーカルグループです。低音を担うベースパートから、女性でも高いと感じる位のソプラノパートまで、とても幅広い音域をカバーして演奏しています。
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彼らのルーツはチャーチミュージック(教会音楽)のため、ゴスペル要素がふんだんに取り込まれています。私自身も大学生の際に彼らのCDに出会い、衝撃を受けました。
リリースされて20年以上経っていますが、今聞いても色褪せない素晴らしい作品だと思います。ぜひ聴いてください。
A Quiet Place by Take6(YouTube)
VOX ONE(ヴォックスワン)
ボストンにあるバークリー音楽大学で出会った後にのボーカリストで構成されたボーカルグループです。現在もメンバーの大半はバークリー音楽大学で教鞭をとっており、実際に私も授業を受講しました。
VOX ONE Official facebookページ
トラディショナルな美しいアカペラハーモニーはもちろん、Herbie Hancockのカメレオンをアカペラでカバーしたり、エフェクターを使って声を加工した音源を作ったりと、斬新な切り口でアカペラを披露してくれています。
リーダーの松岡由美子さんは、まくり音楽大学ではイヤートレーニング(聴音)などの授業を担当されています。
現在も様々な楽譜を販売されたりワークショップを行ったりと精力的に活動されています。
Pentatonix(ペンタトニックス)
アメリカ出身の五人編成の大人気のアカペラグループです。男性4人と女性1人という一風変わったメンバー編成です。ベースパートのアヴィが2017年に脱退し、メンバー変更がありました。
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Pentatonix Official Websiteより
彼らもJacob CollierのようにYouTubeで人気に火がついたアーティストですね。YouTubeでの総再生回数は余裕で億を超えています。この曲も2021年4月現在で2億6000万回。すごいですね。
[Official Video] Mary, Did You Know? – Pentatonix
親日家でも知られており、サマーソニックなどのフェスに参加したりPerfumeのカバーをしたりと、日本のファンを喜ばせるような演奏もたくさんしてくれています。日本語でカバーしている演奏を聴くと、彼らの耳の良さを感じることができます。
[Official Video] Perfume Medley – Pentatonix
一般的に、音楽家は語学を学ぶことが得意と言われています。というのは、音楽家は一般の人に比べ耳がよく、ディテールまで音声を捉えることが得意だから、と言われています。
自分の母語でない言語をこれだけクリアに発音できるのは、耳が良い証拠です。
注目は紅一点のカースティン。彼女の歌声は、力強さとともに、少しハスキーな部分があり、とても特徴的です。もともと彼女はミュージカルを学んでいたこともあり、感情表現がとても豊かで、抑揚もたっぷりです。もちろん技術も素晴らしいです。
Bobby Mcferrin(ボビーマクファーリン)
ソロでアカペラパフォーマンスをする第一人者としては、Bobby Mcferrin(ボビー・マクファーリン)以外にないでしょう。
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枯葉アカペラの演奏以外も行っていますが、有名なDon’t worry be happyというこの曲は皆さんも一度は耳にされたことがあるのではないでしょうか?
Bobby McFerrin – Don’t Worry Be Happy (Official Video)
彼の声は、ときにはパーカッションであり、ときにはメロディーを奏で、ときにはジャズのアドリブをし、ときには鳥の羽ばたく音色まで再現してしまう。まさに七色の声と言っても過言ではありません。
実際に私もボストンに住んでいるときに彼のコンサートを何度か足を運びましたが、同じ曲を演奏しても毎回少しずつアプローチが違ったり、途中でアドリブを入れたりと、遊び心に溢れたコンサートを味わうことができました。
アカペラを聴くなら絶対に外せないアーティストのひとりです。素晴らしい”Black bird”のパフォーマンスを聴いてみてください。
Blackbird by Bobby McFerrin (YouTube)
Jacob collier(ジェイコブコリアー)
YouTubeで1人で多重録音した音源を公開後、瞬く間にスターダムを駆け上がったJacob Collier。まだ20代ながら、グラミー賞もうすでに複数回受賞しており、これからがとても楽しみなアーティストの1人です。今、もっとも勢いのあるアーティストのひとりですね。
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YouTubeに投稿されたこういったアカペラ多重録音の動画で人気に火がつきました。
Georgia On My Mind by Jacob Collier(YouTube)
彼の特徴としてはマルチインストゥルメンタリスト、いわゆるたくさんの楽器を演奏できる能力でしょう。
ボーカリストとしてだけではなく、ピアノ、ギター、ベース、パーカッション、その他にもたくさんの楽器演奏することができます。また、音楽理論にも非常に詳しく、実際に私がバークリー音楽大学に留学中に、マサチューセッツ工科大学(MIT)と協同して音楽の研究を行っていたと言う話も聞いたことがあります。
彼のマルチインストゥルメンタリストとしての能力を聴くにはこの動画が良いでしょう。
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New York voices(ニューヨークボイセス)
男性2人女性2人の4人編成で構成されるボーカルグループです。アカペラでの演奏以外の機会も多いですが、確かな歌唱力を生かしたアカペラハーモニーも素晴らしいです。留学中に大変お世話になった私の師匠たちです。ベースパートのPeter Eldridgeは、現在バークリー音楽大学での教鞭をとっています。
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彼らの音楽の基本はジャズであり、アカペラで演奏する場合もジャズの要素がふんだんに取り込まれています。テナーパートのDarmonはサックスの演奏もするため、彼が歌うインプロビゼーション(即興演奏)はまさにジャズの醍醐味です。
Almost like being in love by New York Voices
DCappella(ディカペラ)
ディズニー初の公式アカペラグループで、ディズニーの名曲を全てアカペラで演奏するボーカルグループです。1500人の応募者の中からオーディションで選ばれた精鋭メンバーたちです。
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(余談になりますが、実はメンバーの1人、RJ WOESSNERはバークリー時代のミュージカル部の仲間です。めっちゃいい子!)
ディズニーの映画がリリースされた際は日本でも来日公演などをしています。YouTubeもとても人気があり、視聴回数もすごいですね。
Under the Sea by DCappella (YouTube)
メンバーも7人と通常のアカペラバンドの中では人数が比較的多いため、ハーモニーも豪華で、ボイスパーカッションなどもふんだん取り入れることで、ディズニーの世界観を表現しています。
彼らがレパートリーとして演奏するのはディズニーの曲ばかりですので、普段あまり音楽を聞かれない方でも、とっつきやすいのではないでしょうか。
Club for five(クラブフォーファイブ)
フィンランド出身の混成アカペラグループです。雰囲気としてはスウェーデン出身のアカペラグループThe real groupに雰囲気が似ていると思います。
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とても混み入ったハーモニーをいとも簡単に演奏しているように魅せるすばらしい技術を持っているグループだと思います。
Sassy by Club For Five (YouTube)
もっと有名になってもいいのにと思える素晴らしいハーモニークオリティです。
Singers Unlimited(シンガーズアンリミテッド)
もともとThe Hi-Lo’sで男声4声コーラスグループをやっていたGene Puerling(ジーン・パーリング)が結成したSingers Unlimited(シンガーズアンリミテッド)は混声4声のジャズコーラスグループです。多重録音を使ったりすることで、複雑なハーモニーを表現しています。
Gene Puerlingの編曲は、実際に私も演奏したことがあり、とても複雑で難解なのですが、完成するとその緻密なハーモニーはとても美しく、彼の作品でしか出せない味わいがあります。練習はほんっとに難しいし大変なんですけれどね。苦笑
Gene Puerlingは、1982年にはグラミー賞も受賞しています。
Rockappella(ロッカぺラ)
Rock+Acappellaの名前の通り、男らしいロック魂溢れる、アカペラグループです。疾走感のある演奏が楽しいですね。
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声の力だけで、これだけのビート感を出せるのは気持ちいいし、自然に身体全体でリズムをとりたくなるような演奏は、どんな方でも聴きやすいのではないでしょうか。
CANDY MAN by Rockapella(YouTube)
Swingle singers(スウィングルシンガーズ)
クラシックからジャズまで、とても幅広い楽曲を取り上げている長い歴史のあるボーカルグループです。現在はロンドンを拠点にしているグループです。
8人編成という比較的大編成のアカペラグループなので、クラシック系の曲、特に大ヒットしたバッハの曲の演奏は圧巻です。
les swingle singers – JAZZ SEBASTIEN BACH 1/23 – Fuga in REm da L’Arte della Fuga BWV 1080 (1963)
クラシック音楽が好きな方は特に聴いてみてください。美しく斬新なボーカルサウンドに驚くと思います。
Kraja(クラヤ)
スウェーデン出身の4人組の女性ボーカルグループです。同じスウェーデン出身のThe real groupよりも、民謡やフォークの要素が強いグループです。
コンサートの中では、アカペラでの演奏だけでなくスウェーデンの民族楽器を使って演奏する場面もあります。
女性のみの編成なので、迫力的に足りるのかしら?やさしいコーラスグループという雰囲気かしら?と聴く前には思っていましたが、実際にコンサートで聴いてみると、素晴らしいハーモニーでかっこよかったです。
Kraja sjunger “Uti vår hage” (YouTube)
スウェーデン民謡の要素が強いため、まるでヨーロッパ旅行をしているかのような気分を味わうことができますよ。
Accent
多くのアカペラグループが大学時代の同級生などからスタートしていますが、このAccentは、なんとメンバーがそれぞれ別の国の出身なのです。
Jean-Baptiste Craipeau(フランス)
Simon Åkesson(スウェーデン)
Danny Fong(カナダ)
Andrew Kesler(カナダ)
James Rose(イギリス)
Evan Sanders(アメリカ)
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という6人が出会ったのは、SNS時代ならでは。YouTubeで公開されている互いの多重録音動画で繋がった彼らは、2011年に合流し、オンラインで曲や動画を共同制作。その後も5枚のCDを制作しています。
Accent – I Will Wait for You (Michel Legrand Cover)
もともとリモートでレコーディングなどを行っていたため、コロナ禍の中でもその勢いは衰えることなく、活動の幅を広げています。
バークリー音大出身女性シンガー4名で構成されているWomen of the worldとも最近コラボ動画をリリースしました。美しいハーモニーをぜひ聴いてみてくださいね。
(余談ですが、リーダーの植田あゆみさんとメンバーで現在はバークリーで教鞭もとるAnnnette Phillipは音大時代の私の同期です。あー、みんな大活躍だなぁ。素晴らしい。)
Accent – Over You (feat. Women of the World)
日本のおすすめアカペラグループをご紹介
- トライトーン
- ゴスペラーズ
- INSPi
- 鱧人
- 山下達郎
トライトーン
あまりメディアなどに出演をしないため、彼らのことを知らない人も多いですが、日本のアカペラグループの中ではかなりの古株のバンドです。複数回のメンバーチェンジを経て、現在の形に落ち着いています。
現在サポートメンバーとして入っているのは、番組で紹介されたバラッチですね。(余談ですが、彼はバークリー音楽時代の仲間なんです。)
Last Summer Whisper / 杏里 – ANRI -(Covered by Nagie Lane)
元メンバーの北村嘉一郎さんは、現在はトライトーンを離れていますが、下でご紹介する「鱧人」という別のアカペラバンドでも活躍されていますし、語学がとても堪能な方なので、海外遠征などもいろいろされているようです。
ゴスペラーズ
日本でアカペラの認知度を高めたグループとしては、ゴスペラーズが最も有名なアカペラバンドだと思います。テレビなどのメディア出演も多く、人気がありますね。
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男性6人編成ですので、アレンジの幅も広く、またハーモニーもとても分厚いです。
まず日本語のアカペラを聴いてみたいという方は、とっかかりとしてはとてもわかりやすく聞きやすいと思います。
ゴスペラーズ – ひとり / THE FIRST TAKE(YouTube)
INSPi(インスピ)
大阪大学のアカペラサークル出身者を中心に構成された男性6人組のアカペラグループです。
今日もオモロい配信でした。ラストに軽く歌ったよ。よかったらぜひごゆるりと。途中で紹介した動画は明日の昼にアップします〜♪
INSPiのそれゆけペラリーマン!通算106回目 https://t.co/lIdMpRejg8 @YouTubeより pic.twitter.com/oeo2KHSTqd
— 杉田篤史 INSPi hamo-labo (@atsushi_sugita) March 16, 2021
メンバーのうち、杉田、大倉、渡辺、北の4人は大阪大学のアカペラサークル出身ですね。渡辺と北とは私も同期で学生時代からよく知っています。他の2人は元からの繋がりやオーディションなどで加入しています。
世界ふしぎ発見の、この木なんの木なども長年担当しており、安定感がありますね。
最近はYouTubeやライブ配信なども積極的に行っているそうです。YouTubeでは実際に彼らが演奏しているアカペラアレンジの楽譜を乗せながら、彼らの演奏が聴けたりと、アカペラをやってみたいと言う方には参考になるのではないでしょうか。
また彼らのうちの1部のメンバーは、RAG FAIRのメンバーの1部と一緒に組んで、BROAD6というジャズアカペラグループを結成しています。マルシアさんをゲストに迎え、ブルーノート等でのコンサートも行っているため、ジャズ好きの方はぜひそちらもチェックしてみてください。
鱧人(はもじん)
ジャズを中心に演奏活動を展開する売れっ子男性ボーカリストたちが4人集まり結成されたアカペラグループです。
伊藤大輔、矢幅歩、KOTETSU、というジャズジャンルではとても人気のある3人の男性ボーカリストに加え、元トライトーンのメンバーで、ボイスパーカッショニストとしても世界中で演奏する北村嘉一郎を加えた4人編成は、4人だけで演奏していると思えないほど分厚いハーモニーを味わうことができます。
また彼らはジャズの知識も豊富のため、曲の途中でインプロビゼーション(即興演奏)が繰り広げられたりと遊び心満載です。
山下達郎
日本での多重録音の先駆者と言えば、山下達郎さん一択でしょう。
彼の作ったこのアルバムは非常にヒットし、実際に私も聞いて衝撃を受けたことを今でも覚えています。1枚目のアルバムは1980年リリースなので、今から40年も前にリリースされていることになります。でも、今聞いても色褪せず美しいですね!
On the Street Corner Vol. 1 – Tatsuro Yamashita (1980)
いわゆるトラディショナルなドゥーワップスタイルを基本としているため、どんな人でも聞きやすい内容だと思います。